2019年 02月 19日
旬の味 |
野菜、果物などの旬が無くなって久しい。農家で育った人間だから尚更その感が強い。年間のサイクルで食べ物は決まっていた。イチゴはカッコウの鳴き声を聞きながら、真っ赤に熟したものだけを採って、砂を落としながら食べた。しかし、そのイチゴの旬は12月かと錯覚するようになってしまった。その原因は、消費者の欲望と農家との利害関係であり、それを可能にしたのがビニールだ。農家はハウス栽培をしなければ生計が成り立たないと言っても過言ではない時代になってしまった。年間のビニールの使用量は、自分が子供の頃とでは比較にならない。それと比べたら、レジ袋廃止などと言ってもスズメの涙にもならない。
スーパーには美味しそうに伸びたアサツキが並んでいるが、雪の下の、更に砂丘地の砂の中で伸びたキモドのクセのある美味しさは味わえない。道楽でやっている農業者だからできるのであって、その代わり商売にはならない。道の駅あたりで、年寄りの小遣い稼ぎのために並ぶ時がある。
by hd-domon
| 2019-02-19 21:05
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