2017年 02月 11日
不思議な絵画 |
先日、高校生の展覧会を見たが、今日は大学生の卒業制作展を見に行った。自分の後輩達である美術専攻の学生は、制作にどんな取り組み方をしているのかと、久しぶりに見に行ったが、あまりにもお粗末なのに驚いた。会場からは、若い未知のパワーは微塵も感じられない。まだ高校生の展覧会のほうがマシだった。この人達が美術教師になるのだろうか。そんな作品の中で、1人だけ見る者を惹きつける制作姿勢を示した作品があった。それが、これだ。
最初見た時はつまらん絵だと思ったが、壁の作品の前に置いてあるタブレットで見ると、色が全て反対色になり、普通の常識的な色の絵画になる。この製作者に教えてもらって、自分のスマホで、反対色に設定したアプリで見ると同じように見えた。どうしてこのような表現を選んだのか聞いてみたら、子供達との四年間のボランティア活動を通して、子供達に絵画の楽しみを感じてもらいたいからと言っていた。スマホを自由自在に扱える年代の人の制作方法と感心したが、このレベルでは勿体ない。この方法を取り入れた必然性が明確にされ、反対色で見えた時の効果がもっと大きなインパクトを与えるような絵画にすれば、新しい可能性が広がるような期待感が持てる作品だった。実際の製作のことを考えると、気の遠くなるような作業だ。3点製作するのに2年かかったと言っていたが、この取り組み姿勢は、今後の制作活動に大きな意味を持つと思った。
by hd-domon
| 2017-02-11 23:36
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